不正な燃費測定方法を採用していたスズキが、静岡県浜松市で株主総会を開きました。鈴木修会長は、この総会で株主の質問に対して「47都道府県のディーラーを回ってお詫びを申し上げて参っている。現在までに14県を回った。総会が終わったら北海道から東北6県を回る。ディーラーからは激励が非常に多い。私達も信頼を受けているとつくづく思いながらお願いに回っている」という回答を行なっています。
「『会長辞めろ!』株主の追及に鈴木修会長は…
再発防止への責任全うが『男として大切』、会場は拍手喝采」(日経ビジネスONLINE)
なるほどカリスマ経営者です。86歳という高齢にもかかわらず、全国のディーラーに自ら出向いて謝罪する責任感に敬服します。どこかの経営者とは異なり「再発防止」に自らの命をかけています。鈴木氏は権力にしがみついている老人には見えず、その語り口などに誠実さが感じられるから苦境にあっても支持されるのでしょう。カリスマ性がないのにカリスマ経営者のごとくマスコミが扱う経営者もいますが、専制君主とカリスマを混同してはいけません。
そういえば、三菱自動車の会長は記者会見での謝罪しか記憶にありませんが、下請や孫請けの工場などに謝罪しているのでしょうか。会社が誰のものか理解していない経営者は、従業員にとっても、取引先にとっても、消費者にとっても、株主にとっても不要です。さっさと交代してください。謝罪できない、しない、俺様が正しいという裸の王様はそこら中にいるので、鈴木会長の素晴らしさが際立つのでしょう。