事故を起こしたバスのメーカーと車種について以下の報道がありました。事故車両は、2002年に三菱自動車工業(現在の三菱ふそうトラック・バス)が製造した観光バス「エアロクィーン」です。甲信ふそう上田支店に持ち込まれて、警察が検証を行ないました。三菱ふそうトラック・バスによると、エアロクィーンは1992年から製造が始まり、最近3年間は年640~800台が販売され、特に異常の報告はないそうです。
事故車両、ギアがニュートラルに エンジンブレーキ利かず制御不能状態か(産経ニュース)
さて、三菱自動車工業の乗用車部門およびトラック・バス部門では、2000年と2004年にリコール隠しが発覚しました。2002年には、プロペラシャフトの破損でブレーキ配管が破壊され、制動不能に陥ったトラックが山陽自動車道熊毛インターチェンジ料金所で止まれませんでした。しかも、そのまま一般道に突入して曲がり切れずに事故を起こし、運転手が死亡しています。にもかかわらず、今度は日産の指摘で燃費不正が発覚し、1990年代からその不正が続いていたのではないかという疑惑も浮上しているのです。
その会社で事故を起こしたバスの検証が行なわれたならば、それは信頼できる検証でしょうか。警察が行なったとはいえ、バスの構造を細部まで熟知しているはずはありません。製造者が簡単にごまかせる状況であり、実際に過去2件の死亡事故では警察や被害者を騙していたのです。バスに欠陥があったとしても、正直に認めないと考えた方が自然です。悪意ある企業の言い逃れは、絶対に見逃してはいけません。死人に口無しになるかもしれなかった私は、心からそう思います。