4 名誉毀損の対象
被告は、犯罪被害を恐れて本件ブログなどで実名を公開していない。実名を検索すれば、一瞬で被告のXXXXXXXXや顔写真が表示されるのだ。被告は、居住地が東京で、本件建物の所在地が静岡県であると公開しているのみである。
しかしながら原告は、「当社および当社代理店を誹謗・中傷するブログについて」(乙49号証)の中で、被告を「建物注文者(東京都○○○在住のA氏)」と呼称し、本件建物の所在地を「静岡県○○○○○」と公開している。これらは、被告を特定できるように意図的に記述された文言であり、プライバシー権の侵害に該当する不法行為である。
被告の家族、友人、知人、仕事上の取引関係者などは被告の住所を知っており、静岡県○○○○○に別荘を所有していたと知っているだけではなく、過去には本件建物で休暇を過ごした者もいる。実名が記述されていなくても容易に被告を特定できるのであり、匿名にはあたらない。
また、被告は、平成28年2月1日以降、原告との争いに関してインターネット上で実名及びXXXXXXXX会社名を違法に公開されるといった犯罪被害に遭っている。この犯罪の被疑者は、原告が流布した同文書(乙49号証)に影響を受け、原告と同等の虚偽主張を繰り返すとともに、極めて悪質な誹謗中傷を20ヵ所以上ものウェブサイトに投稿した(乙111号証の①から⑩まで)。そのため、被告の名前や会社名を検索すると、これらの記事が最上位に表示される状況にある(乙112号証①から③まで)。つまり、被告の実名と本事案は公知の事実となっているのである。
なお、被告は、膨大な時間を費やして、各ウェブサイトの管理者に発信者情報開示請求を行なう一方で投稿の削除要求を行ない、検索システムの運営者にも検索結果の削除要求を行なったが、違法な投稿の多くは現時点でも閲覧可能である。警視庁○○警察署は捜査を続けているが、被疑者は「トーアブラウザ」と呼ばれるブラウザソフトで発信者の特定を困難にしており、事件の解決には至っていない。
よって、被告は匿名として保護される状況にはなく、原告が公然と被告の名誉や信用を毀損していることは疑いようがない。
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