第2 反訴被告(本訴原告)の虚偽と言い掛かり
1 本件建物の買い取り提案に関する反訴被告の虚偽
反訴被告は、反訴答弁書・第2-1-(2)-イ(3ページ)で、「同月7日、反訴原告は、訴外●●●●に対し、本件建物を第三者に売却することを考えている旨の発言をしたため、訴外●●●●が売却するのであれば、当初求めていた買取りの要求はどうするつもりなのか確認したに過ぎない」、「反訴原告が、自ら本件建物の買取要求を取り下げたために、訴外●●●●としては、本件建物の買取要求に代わる要求が何であるのかを質問したにすぎないのである」と主張しているが、苦し紛れの虚偽の羅列に驚くばかりである。反訴原告は上記趣旨の発言をしていないし、買い取り提案を取り下げていないばかりか、反訴被告社員・●●●●は上記の確認及び質問をしていない。
そもそも、本件建物の売却に際して損害が発覚した経緯は、平成24年7月1日に青木興業の社員・■■■■(三島営業所)と▲▲▲▲(工事部)が現地で損害を確認した時点で明かしている。その場には、本件建物を仲介した○○○○株式会社□□□□も立ち会っており、■■■■と▲▲▲▲には既に買い手がついていると伝えている。だから反訴原告は、7月5日に■■■■に送ったメールで「当方としては、この件を早期に解決して速やかに売却したいので」と説明もなく述べているのである(乙8号証/資料B)。この時点ではすぐに修理できる損害だと考えており、本件建物の買い取りを青木興業に求めていたわけではない。
8月4日の反訴被告との面談では、反訴原告は、反訴被告社員・●●●●及び△△△△に対して、本件建物の売買に際して損害が発覚したという同様の説明を行い、漏水調査書及び写真や映像を交えながら損害の状況を示して、本件建物を買い取るよう提案した。東日本大震災以降、海に近く標高が低い不動産は売買さえ成立しないが、本件建物は高台の利便性が良い地域にあるので、再建築と販売によって費用をすぐに回収できるという現地の不動産動向まで伝えている。反訴原告は、第三者と本件建物の売買契約が成立して手付け金を受け取っていたが、反訴被告の買い取りが成立すれば、不動産取引の慣習に則って、手付け金の倍返しによって契約を解除できると考えていたのだ。それは購入者の危険を回避する配慮でもある。また、反訴被告は、度々「買い取りを要求された」と恣意的に主張するが、反訴原告は、和やかな面談で最良の解決案を提示するとともに、全棟検査と再発防止に協力すると申し出ている。8月7日になって本件建物の売却を伝えられたかのごとく虚偽を主張する反訴被告は、悪質という言葉では足りないほどに悪質極まりない。
よって、反訴原告が買い取り提案を取り下げておらず、●●●●が解決金額の提示を要求した事実を明確にするために、反訴原告が共同所有者の二人に送信した電子メール(乙74号証)を提出する。平成24年8月7日16時25分に、急遽三人の協議が必要になったと連絡しているが、自ら買い取り提案を取り下げ、解決金を要求したならば、8月6日以前に協議しているはずである。●●●●が16時03分に電話をかけてきて、解決金額の提示を求めた(乙8号証4-1)22分後である。「●●●●さんと電話で話して、状況が変わっている。結論から言うと、こちらから解決金として金額を提示する必要がある」という内容や翌8日14時37分の「文章確認」(乙74号証/4ページ)は、●●●●が反訴原告に解決金額の提示を要求したという疑いようがない証拠である。
つまり、反訴被告は、解決金を支払う意志を示したのであり、瑕疵及び不法行為を認容したと合理的に判断できるのだ。だから、名誉毀損が言い掛かりであり、本訴の提起が不法行為にあたると知っていた事実を隠すために、反訴被告は虚偽を主張しているのである。