ロッキード社の大型旅客機「トライスター」購入をめぐって、元首相田中角栄氏と丸紅、全日空が賄賂をやり取りした「ロッキード事件」をご記憶の方は多いかと思います。当時、私は中学生だったので事件の全容を正しく理解できませんでしたが、どうやら真相が解明されたのは一部にすぎなかったようです。工作資金の総額は40億円を超えるという報道もありますが、丸紅を経由して田中角栄氏に渡った「丸紅ルート」と全日空から政界へばらまかれた「全日空ルート」しか解明されていません。
児玉誉士夫氏を経由して小佐野賢治氏に渡った「児玉ルート」は大半が未解明で、防衛庁が対潜哨戒機P3Cオライオンの導入を決めた売り込み工作については闇に葬られています。こうした闇を明かすべく作られたNHKスペシャルの未解決事件シリーズが、7月23日(土)に実録ドラマとして放送されるそうです。
NHKスペシャル 未解決事件File. 05
ロッキード事件実録ドラマ 特捜部極秘ファイル 前編・後編
2016年7月23日(土)午後7時30分~9時58分
そうそう、榎本美恵子さんの「蜂の一刺し」は痛快でした。小佐野賢治氏や丸紅の伊藤宏専務、全日空の若狭得治社長らが「記憶にございません」と連発していましたが、現代でもやましい奴らはとぼけています。この未解決事件シリーズでは、第3弾の「尼崎殺人死体遺棄事件」で主演した烏丸せつこさんの超リアルな演技に驚きましたが、今回の「ロッキード事件」にも期待が持てそうです。日本は、賄賂が当たり前だった時代から、企業の社会的な責任が問われたり、政治家の身体検査が行なわれたりする時代に変わりました。