セブン&アイ・ホールディングス傘下で、カタログ通販大手のニッセンホールディングスが、債務超過に陥りそうな気配です。2015年度は133億円の最終損失を計上し、3期連続の赤字でした。5月の売り上げは、前年同月比41%減と大幅な減少となり、16カ月連続のマイナスを記録したそうです。
「セブンのお荷物『ニッセン』が債務超過懸念」(東洋経済ONLINE)
私は何回かニッセンで商品を買ったことがありますが、その後も頻繁に送られて来る分厚いカタログに無駄を感じていました。紙のカタログそのものは消費者に支持されているのですが、ニッセンの場合は嗜好性や地域性を無視して、大量に配布しているだけにしか思えなかったからです。マス・マーケティング、マス・コミュニケーションの典型です。購買機会を拡大すれば売上や利益が増えると思っている、高度経済成長期からバブル期まで通用した化石のような経営手法です。
セブン&アイは2014年1月にそんな会社を子会社にしていました。私は例の騒動でセブン&アイのグループ会社を見て驚いたのですが、「赤ちゃん本舗」「タワーレコード」「OSHMAN’S」なども傘下にしています。西武やそごうを傘下に収めた頃から経営が変質したと感じているのは私だけでしょうか。ホールディング会社のロゴをやたらと大きく入れて、事業会社のロゴを小さくするとは、ブランドコミュニケーションをまるで理解していません。王様のように君臨してしまった鈴木敏文氏を誰も止められなかったのでしょうね。債務超過に陥った場合、1年以内に解消できなければ東京証券取引所の上場廃止基準に抵触します。似たような会社は他にもあると思いますが、親会社が子会社を上場廃止にする場合はいくらで株を買い取るのでしょうか。