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「氷結」のブランド価値を向上したキリンビール

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キリンビールは、ウオッカベースの酎ハイ「氷結 ハロウィンオレンジ」の発売を中止しました。イタリアから原料として輸入したブラッドオレンジ果汁に水が加えられている可能性が高く、商品の特徴として告知している「ストレート果汁」に適合しないと判断したそうです。

「キリン、「氷結」新製品の発売中止 輸入果汁が“水増し”の可能性高く」

「キリン 氷結® ハロウィンオレンジ<期間限定>」発売中止について(キリンビール)

以前、私が在籍していた会社が「氷結」のコミュニケーション活動を担当していたので、私は「氷結」を発売当初よりよく知っています。季節ごとに様々な果汁の味と香りを展開し、主力ブランドとしての地位を確立しました。他社も同ジャンルの商品を出すほど成功した商品です。私は別のビール会社の新製品キャンペーンを担当したことがありますが、飲料メーカーはブランドの信頼がどれほど大切か良く理解しています。

今回の発売中止は、あくまでも「加水の疑い」であって、加水されていたかどうかは現時点で不明です。それでも、キリンビールはブランドを守るために発売中止としました。多大な損害を覚悟しての決断です。しかし、この件をきっかけに「氷結」には本当にストレート果汁が使われていると消費者に伝えることができました。そして、こうした信頼を築くことで「氷結」はブランド価値を向上させ、長期的に見れば売上を増やすだろうと予想します。つまり、ブランドコミュニケーションを理解している経営者はビジネスを成功に導くのです。


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