中堅ゼネコンの東亜建設工業が、羽田空港C滑走路の地盤改良工事でデータを改ざんしていたと明らかになりました。地震時に滑走路の液状化を防ぐ耐震化工事で「バルーングラウト工法」を行ない、土中に注入する薬液が予定量の5.4%しか注入されなかったにもかかわらず、虚偽の報告で完成検査を受けていたそうです。相変わらず土建屋は法令を遵守しませんね。
羽田空港滑走路のデータ改竄 東亜建設工業、耐震工事の薬液量など4点(産経ニュース)
さて、東亜建設工業は欠陥マンションを建築したこともあります。「ライオンズマンション京町」で施工を下請に丸投げした結果、柱に発泡スチロールなどの異物が混入したり、鉄筋が不足したりしていました。
川崎のマンション、構造欠陥で異例の建て替え(日本経済新聞)
はたして、不正は今回の発表だけでしょうか。そもそも東亜建設工業が開発した「バルーングラウト工法」は、工法として成立しているのでしょうか。東洋ゴム工業や旭化成建材では、その後も不正が発覚しています。他にも東亜建設工業の不正が見つかる可能性は低くないでしょう。
東洋ゴム、「またも不正」で信用失墜の泥沼へ(東洋経済ONLINE)
旭化成、新たな「杭打ちデータ不正」が発覚! 住民が独自調査のデータを突きつけると……(現代ビジネス)
大地震が起きるたびに耐震性が問題になりますが、それ以前に正しく施工されているのかどうかが重要です。近年、インターネットの投稿をきっかけに、隠蔽できなくなった不正が数多く発覚していますが、その裏には何十年も前から隠蔽し続けている膨大な不正があるはずです。どうやら、日本中の土木建築工事は、かなりの割合で欠陥だと考えた方が良さそうです。