熊本地震では多くの住宅が倒壊しましたが、静岡県にあった我が家が倒壊しなかったのはただの偶然です。日本の家はどこにあっても地震と無縁ではありません。「熊本地震で倒壊した住宅は欠陥住宅か?」と題して当ブログで取り上げた住宅について、専門家の調査が公開されていました。写真で見る限りほぼ間違いないと思いますが、異なる住宅の可能性はあると断っておきます。
「築浅住宅が地震で倒壊、金物不備や増築が要因か」(日経アーキテクチュア)
この建物はツーバイフォー工法でOSBを使用していたそうです。「OSB(Oriented Strand Board)」とは、北米で住宅の構造用下地材として開発された面材で、細長い削片で作られたボードの向きを互いに直行させて層をなした構造用パネルです。「土台とOSBを留めるくぎが見つからなかった」とは、それを原因として基礎と住宅が離れて倒壊したということでしょうか。やはり、一つの欠陥の裏には多くの欠陥が隠されていると考えた方が良さそうです。
他の倒壊アパートにも「基礎に留め付けるホールダウン金物などが施工されていない箇所があった」ということですので、倒壊した原因として欠陥が考えられるのではないでしょうか。阪神淡路大震災では6433名の犠牲者が出ましたが、その多くは建物倒壊による圧死とされています。「Q&A住宅品質確保促進法解説」(建設省住宅局住宅生産課監修/犬塚浩著)には「阪神淡路大震災の教訓」として「調査の結果、地震そのものによる影響というよりも、むしろ住宅そのものが欠陥住宅であったことが原因による被害が報告されています」とあります。耐震性も重要ですが、何よりも欠陥住宅を建てさせない社会を作るべきです。